COLLECTIONS
Pangasianodon gigas, Kohei Maeda, 2018
Medium: Video, Edition: 1/5+AP
Video:Nao Kureya
All images courtesy of the artist
作者 前田耕平 は2018 年8 月、タイ・チェンマイのアーティスト・イン・レジデンス Compeng にて1ヶ月間滞在した。チェンマイの山奥で現地の人々と交流しながら、タイに生息するメコンオオナマズについてリサーチを行った。 本映像はメコンオオナマズが持つタイの人々との関係性を作者自らが実体験を通して捉える作品。映像はドキュメンタリー風に展開されつつも、禅画の十牛図や瓢鮎図をモチーフに、タイの修行タンブンの行為を参照にシナリオを持って展開される。タンブンとは信仰者がバケツに入った小魚を購入し、放流することで徳を得ることのできる行為である。映像作品の中で描かれるナマズを探しにいった青年(作者)が、大きなダムでナマズを見つけ、逃すに至る行為はスケール変換されたタンブンの構造として描き出されている。これと同時に、映像内ではメコンオオナマズを巡る人々の生活や宗教、政治と歴史的背景を持つダムの建設、それに伴う天然のメコンオオナマズの減少や養殖などの問題が移し出される。本映像は 2019 年2 月16 日から3 月3 日に京都市立芸術大学ギャラリ@KCUA での個展「パンガシアノドンギガス」インスタレーション作品内で発表された。
映像撮影: 呉屋 直 映像スチル: 呉屋 直