COLLECTIONS

うちとそと #3 / within/without #3

Thai
ビー タケム パッタノパス / Be Takerng Pattanopas

within/without #3, 2020, woven copper wires, epoxy and oil paint Diameter 100cm
All images courtesy of the artist

数週間ぶりに安全な家の外に出てみると….
外の世界は、ほとんど死に絶えていた….
 
現在、世界的なパンデミックの大流行の中で、私たちは黙示録的な生活を強いられている。
そして、生と死の問題を超えて、私達の存在そのものを問わずにはいられない。
私達に何が起こっているのか?私達は何になるのか?私達は何度生まれては、死んでいっただろうか?私達はなぜ生まれてきたのだろうか?
 
これらの疑問に直面し、
私は自分自身を超えて、自分自身を内的・外的に表現することを試みる。
 
私は自分の死について、自分の内臓、複雑な筋肉、動脈、静脈、何兆もの細胞、無数の神経細胞、分子、原子、そして、すべての素粒子といった体内のミクロコスモスの世界について瞑想する。このようにイメージすると、体内の宇宙と外の世界とのつながりや共通点が見えてくる。
 
心が外へ向かっているとき、それは突然戻ってくる。 固く閉じていた目の前で、宇宙全体が私の胃袋に収まる。内に向かうと、私は自分が底知れぬ空間に渦巻かれ、時間を忘却する。そこには、地球、山、海、月、太陽、惑星、星、何十億もの銀河、パルサー、超新星、そして蔓延する暗黒物質など、動くものも、動かないものも含めた全宇宙がある。気づくと、私は大きく口を開けて立ち尽くしており、口の中には未知の宇宙が無限に広がっていた。
 
ビー タケム パッタノパス 2021年5月。


アーティストについて

ビー タケム パッタノパス / Be Takerng Pattanopas の活動は、内なる空間と外なる空間という二つの観念から生じている。彼は長年にわたり、人体の内部の世界が無限の宇宙と関連するかどうかを継続して調査している。現在のアーティストの作品は、彫刻、インスタレーション、ペインティング等を融合させたもので、空洞、身体の微細な視覚化、トンネルやモノリスなどをテーマにしている。後者のモチーフは、アーサー・C・クラークの小説やスタンリー・キューブリックの有名な映画に登場する神秘的で不可解な物体からインスピレーションを得ている。全ての要素はアーティストによって正確に調整されており、鑑賞者にとっては、意味や概念が常に流動的であり、不思議な体験をもたらすものとなっている。
 
アーティストの現代アートの活動は、1996年にイギリスでファインアートの博士号を取得したのを皮切りに、20年以上に渡って行われている。チュラロンコーン大学、ウェールズ大学カーディフ校等でファインアートの博士号を取得している。 最近の個展には、「Space of 25 Light Years」(JWD Art Space、バンコク)(2021年)、「The Nerve That Eats Itself」(2018年)(Gallery VER、バンコク)、「What I Don't Know That I Know」(2013年)(H Gallery、バンコク)、「Compulsive Orders」(2011年)(Tally Beck Contemporary、ニューヨーク)、「Permanent Flux」(2009年)(GMT+7、ブリュッセル)、「Interior Horizons」(2008年)(Catherine Schubert Fine Art、バンコク)などがある。  最近のグループ展には、「SPECTROSYNTHESIS II¬- Exposure of Tolerance: LGBTQ in Southeast Asia at Bangkok Art and Culture Center - BACC (2019-2020), Oscillations (2016), curated by Lyno Vuth at the Art Center of Chulalongkorn University, Bangkok, Monologue Dialogue MD4 (2017) at the Koppel Project (ロンドン)などがある。Monologue Dialogue MD4 (2014) at Bangkok Art and Culture Center (BACC); Gentle Matter (2013) at Richard Koh Fine Arts, Singapore; Unspeaking Engagements (2010) at Lanchaster Gallery, Coventry School of Art and Design, Coventry, England; From Surface to Origin: The Place & the Plate in La Fête 2007 (the French Cultural Festival in Bangkok) at the Jim Thompson Art Center, Bangkok, and Prana: The Place & Plate in La Fête 2007」(Jim Thompson Art Center, Bangkok)、「Prana: Art, Light, Space」(Chulalongkorn University Art Center, Bangkok)などがある。

文責: Aura Contemporary Art Foundation / アウラ現代藝術振興財団