Exhibitions
JWD Art Space
Jun 01 - Sep 30, 2021
All images courtesy of JWD Art Space
キュレーター
Loredana Pazzini-Paracciani
参加アーティスト
・Boedi Widjaja
・Bounpaul Phothyzan
・Citra Sasmita
・Estate of Montien Boonma
・Haffendi Anuar
・Hà Ninh Pham
・Irwan Ahmett & Tita Salina
・Ly Hoàng Ly
・Mark Salvatus
・Norberto Roldan
・Pathompon Tesprateep
・Soe Yu Nwe
・Vuth Lyno
・Wantanee Siripattananuntakul
大規模グループ展「A Life Beyond Boundaries (The Geography of Belonging)」は、東南アジアの文脈における国家のあり方について、アートを通して問題提起する。本展覧会では、東南アジアの様々な世代のアーティストを招き、アイデンティティと国家への帰属を、単純な地理的な視点を超えて、個人として、あるいはコミュニティとしての国家や国籍の意味について考察する。
「特定の国家に所属する公的な権利」と定義されている国籍は、どのようにして与えられるのか。国籍は具体的な概念なのか、そうであればどのように表現できるのか。国旗や地図または政治的ヘゲモニーの象徴は、どのように自分の国籍を象徴するのか。もしくは、家宝、伝統、文化的アイデンティティも同様に、国家の重要な表現なのか?
本展覧会は、そのタイトルが示すように、東南アジア研究の第一人者であるベネディクト・アンダーソンの著書『A Life Beyond Boundaries』に触発されている。同氏は、自身のコスモポリタンな人生観から離れ、ナショナリズムについて考察している。同書籍の中で、国家を「想像された共同体」として理論化するに至った経緯を述べている。この共同体には、言語、記憶、異質性などの象徴や文化的概念が付随しており、国家の想像力、すなわち国民性の生成そのものを前景化している。本展では、このような文化に基づく国民性の理解から離れ、作品がその象徴や意味合いを取り入れたり、解体したり、拒絶したりすることで、自らの国民性を問い直し、再構築することを試みる。
「A Life Beyond Boundaries (The Geography of Belonging)」の作品は、既存の作品と新作されたものを含め、単一国の軌跡性を回避し、代わりに広域的な地域性を促進する。
ある作品は、伝統的な織物、シンボル、技術などの身近な素材から着想を得ているが、他の作品は、個人的または共同体的な国家への帰属意識から着想を得ている。現在、これらの概念は、パンデミックによる国境の取り締まりや、東南アジアにおける民主主義を著しく損なうような軍事的抑圧によって、さらに困難になっている。
「A Life Beyond Boundaries (The Geography of Belonging)」は、地政学的な構造としての意味合いから離れ、歴史や社会の中での自分の位置づけに重点を置き、国家ではない地域的な視点から、国家の表現の枠組みについて思考することを促す。