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Koeurm Kolab 個展「Anonymous Heirloom」– Sa Sa Art Projects

Sa Sa Art Projects

Dec 18, 2020 - Jan 30, 2021

^{Scream, 2020 Acrylic on canvas 60 x 70cm
All images by Courtesy of Sa Sa Art Projects}

Kolem Kolab による個展「匿名の家宝 / Anonymous Heirloom」は、今、直面しているプラスチックの使用によって形作られた社会と環境の現実についての新しい絵画シリーズを紹介します。アーティスト Kolab は、我々人間の消費によるプラスチック廃棄物が人間、動物、自然の健康と生命を脅かしている世界を魅力的でカラフルに描いた10枚の絵画を制作しました。

社会環境への関心は、Kolab の活動において繰り返されるのテーマとなっています。この新しい作品では、様々なプラスチック素材のライフサイクルと消費を綿密に研究し制作されました。バッグ、ボトル、容器、おもちゃ、そして無限の種類の物体に至るまで、プラスチックはその耐久性、入手のしやすさ、便利さから、私たちの生活と地球の身近な存在となっています。単一使用の非常に短い寿命の後に、それらは、埋め立て地、水、大気中に廃棄されてしまいます。川に落ちたものは、後に集まり私たちの海のゴミベルトに堆積します。

世界中で私たちは毎秒約16万個のビニール袋を消費し、そのうち1％未満のみがリサイクルされます。この驚くべき数字は、Kolab が16万個の塗料を使用して作成したディプティック「一秒 / OneSecond 」というタイトルの1枚の絵に反映されています。 印象的な絵の平面を作成し、犬の隣で休息しながら考え込んでいる人間の姿をこのフィールドの上に浮かび上がらせています。

プラスチック製品は、通常、分解するまでに約1000年かかると言われています。これらは最も持続的な環境汚染のひとつです。「私を拾って /Waiting for the Owner 」と題されたある作品で、アーティストは、池のそばの通り過ぎるたびに何度も見ていると、ピンク色のイルカの玩具が次第に壊れていく様子を描いています。壊れゆく玩具は、何かまたは誰かを待つかのように、放置され、そこに留まっていました。その永続的な存在感は、背景に描かれた様々な数字で表された人間の寿命の短さと対照的です。

現実と幻想が入り混じった「コレクション/ Collection 」と題された Kolab の作品では、私たちの世界の可塑性がより顕著に表れています。遠くから見ると、色とりどりの半透明の魚の群れが、穏やかで深い青色の水の中を優雅に泳いでいるように見えますが、よく見ると、それはビニール袋です。

更に、別の作品「浮流 / Float 」では、人間や動物、鳥、海の生き物が、空を覆っている黒いガスで満たされた大量のビニール袋を浮遊させて吊るし上げられています。人間は気にしていないように見えますが、携帯端末に夢中になっています。

個人的な経験や世界的な現象に影響を受けた Kolab は、ストーリーテリングを用いて、人間や動物、自然がプラスチックに閉じ込められ、息苦しくなっている世界を描いています。魅惑的でありながらも幻想的である Kolab の絵画は、私たちはこのカラフルなプラスチックの世界で生きて迷子になりたいのか。そして、この「家宝 / Heirloom」を誰に何世代に渡って伝えていきたいのか？* という疑問を投げかけます。

アーティストについて

Koeurm Kolab（カンボジア、バッタンバン県 1987年生まれ）は、2007年にPare Ponleu Selpak スクールのビジュアル応用美術を、2010年にアニメーションを、2014年にはフランスのジェラードプライベートスクール応用デザイン美術を卒業しました。現在、Phare Ponleu Selpakにてグラフィックデザインとアニメーションの教師を務めています。彼女の作品は、人間性、社会の変化、環境の変化を探求しており、Kolab は、Social Compass Cambodia が主催する White Canvas Cambodia 2020で金賞を受賞しました。また、アーティストは、2020年に国際オンラインアート展 Sanskar Bharti and Lalit Kala Akadem（インド/ ニューデリー）、White Canvas Cambodia（カンボジア/プノンペン） Un Petit Marceau Alliance Francaise（カンボジア/シャムリアップ）、2019年に International Environmental, Danwon 美術館（韓国安山）、2018年に Cambans of the Rice Fields、Millon（フランス/パリ）の展示会を開催しています。