Exhibitions
国立美術館(National Institute of Fine Arts)
Jul 06 - Jul 20, 2018
2018年 7月 6日から 20日にかけて、ラオスの首都ビエンチャンにある国立美術館(National Institute of Fine Arts)にて Collective Art Exhibition が開催されました。ラオス美術界の重鎮である May Chandavong 氏を始めとする 4 名 のラオス人アーティストが発起人となり、在ラオススイス大使館およびスイス開発協力庁の支援により今回の美術展が実現しました。
ラオス人もしくはラオスにルーツを持つ 12 名のアーティ ストが共同で、絵画や彫刻などの作品を出展しました。発起人 4 名と彼らを美術の師と仰ぐ仲間たち 8 名のグループで、自らを MASK Group of Artists と呼んでいます。MASK とは、発起人 4 名の頭文字を 連ねたものです(May Chandavong 氏、Anoulom Souvandouane 氏、Sorasinh Bannavong 氏、Kongphat Luangrath 氏)。このような形の共同出展は、個人が有志でおこなうごく小規模なものを除くとラオスでは初めてで、自身もアーティストとして作品を出展している国立美術館の職員 Sengchanh Douangmany 氏は、「ラオスのアーティスト達と彼らの作品を 広く知ってもらう画期的な取り組みです」と、本美術展の開催を喜んでいました。
展示された絵画は、今では地方の農村部でしか見ることのできなくなったラオスの伝統的な高床式住居と人々の暮らしや、結婚式や仏教儀式の際におこなわれる舞踊、国花であるチャンパなどラオスの文化や生活、自然を描いたものから、強いコントラストで混沌とした精神世界を描いた抽象画まで多岐にわたります。
ラオス政府は近年、観光業を主力産業のひとつと位置付け、観光客の増加に向けたインフラの整備やコンテンツの育成に力を注いでいます。今回のような美術展が頻繁に開催されるようになれば、ラオスを訪れる外国人に対してラオスのアーティストと現代芸術作品をより広く知らしめる機会として期待ができます。
ラオスの伝統的高床式住居を描き続ける Somboun Phounesombat 氏(66)の作品。
発起人のひとりである Kongphat Luangrath 氏の作品。単色のボールペンのみを使い無数の線を複雑に描き込んだ作風が特徴です。現在 68 歳の彼は若い頃にハンガリーで絵画を学び、 パーキンソン病を患っている今でも精力的に作品を作り続けています。
同じく発起人のひとり、Anoulom Souvandouane 氏の作品。ラオス農村部の食卓を鮮やかに描いています。同氏はロシアで美術を学びました。現在のラオスキープ札の絵は彼によるものです。
館長およびラオス美術協会会長の Maising Chanboutdy 氏の作品。
国立美術館の職員でもある Sengchanh Douangmany 氏と彼女の作品。絵を描くことは日常生活の一部、と彼女は言います。