Exhibitions
Vin Gallery
Jun 19 - Sep 18, 2020
Lê Giang D'eau et de Verdure #4 (1_3) (detail), Paper embossing, 29cm x 39.5cm x 4.7cm, 2019
All images by courtesy of Vin Gallery
“tout le charme et le mystère de l'exotisme dans un admirable décor d'eau et de verdure（見事な水と緑の装飾の中にある魅力とエキゾティズムの謎のすべて）”
ー1931年のパリ植民地フライヤーより引用
フランス植民地時代、インドシナは両義的な表現で表されていました。時には、野蛮な生物や原住民の未開人が住む湿っぽくミステリアスなジャングルとして、また時には、優しさや従順さを呼び起こす魅力的な景色を持った地域として。これらの矛盾した特徴は、西洋の征服者たちの欲望に満ちた視線を惹きつける、魅力的で異国情緒あふれる熱帯の国を描き出しました。インドシナはすでに地理的な実体としては存在しません。にも関わらず一連の表象や認識における「インドシナ」ーつまり土産物のコレクションー は、今日に至るまで続いています。
パリ・Cité Internationale des Arts Residency での三ヶ月にわたる滞在制作から継続して、Le Giang は1906年から1931年にフランスで行われた植民地展示会の記録を参照し、フランス植民地時代のベトナムに関する大衆文化的表現の研究を行っています。これらの歴史的記録を調査する中で、Le Giang は両国に共有された過去について疑問を投げかけ、学ぼうと努めます。大衆的な語りがどのように植民地的ノスタルジアを形成することに寄与したかを理解するため、インドシナのイメージは、そのディテールをぼかすプロセスを通じて取り戻され、再考されます。「d'au et de verdure」展は、和解のための痛みを伴う状況と、現代ベトナムの文脈におけるインドシナ神話に折り合いをつける必要性を検証しようとする試みです。
Lê Giang
D'eau et de verdure #1 (detail), 2019 Paper embossing 29 cm x 39.5 cm
ベトナムおよび英国での学位取得により、Lê Giang はベトナム的芸術技法と西洋アカデミズム美学の両方についての総合的理解を身につけています。その教育的バックグラウンドの影響により、Giang は近年、絵画を超えて制作の幅を広げ、他の媒体を取り入れています。
Lê Giang はイギリス、シンガポール、日本、フィリピン、韓国、香港、ベトナムでの国際的展覧会やアートプロジェクトに参加しています。また彼女はハノイにあるアートスペース「Six Space」の共同設立者でもあり、若手アーティストを支援し、芸術やクリエイティブ実践に対する幅広いアプローチや視野を提供すべく努めています。近年 Lê Giang と Six Space は Hanoi Grapevine's Finest 2019 アワードにノミネートされ、コミュニティに与えたインパクトが評価されています。
Lê Giang
D'eau et de verdure #15 (detail), 2019 Paper embossing 29 cm x 39.5 cm
ホーチミン 2区を拠点として、Vin Gallery は異文化混成を推進しアジアにおけるアートフェアにおいてアクティブな存在感を確立してきました。私たちはクリティカルな実践活動をするアーティストをホーチミンに招き、彼らの作品を地元アートシーンに共有することを目指し、同時に東南アジアの有望なアーティストを発見し、国際的アートシーンに売り込むことも目指しています。我々のアーティストは多様な文化的背景と美術教育を受け、様々なメディアを使った作品と、人生経験のスペクトルを持っています。彼らは力強くコンセプチュアルで挑戦的なビジョンを持ち、継続して進化していく形態に具現化させており、私たちはアジア内外での他のアートスペースとのネットワーク形成やコラボレーションを通じて、それらの育成に努めています。
