Exhibitions
Tang Contemporary Art Bangkok
Dec 23, 2021 - Jan 30, 2022
Glamour No.3, 2020, watercolor, gelpen on paper, 30 ×42 cm
All images courtesy of Tang Contemporary Art Bangkok
Tang Contemporary Art は、同ギャラリー、バンコクスペースで、Dai Zhuoqun によってキュレーションされた中国人アーティスト、シェン・リャン（Shen Liang）による最新の個展「Ever Young」の開催を発表する。 2021年12月23日から2022年1月30日まで行われるこの展覧会では、変化に富んだ素材や表現手段を使って、複雑で予想外の効果を生み出す絵画や彫刻を通して、このアーティストのさまざまな作品を展示する。
2021 No.12, 2021, Gel pen, charcoal, butterfly powder on paper, 139 ×175 cm
ハート・ビート・プラント（シーブ・イッサヒル・アメル）は、人を再び若くすることができる不死の薬草であり、古代バビロニアの物語「ギルガメシュ叙事詩」に登場する。 ギルガメシュは、シュメールの古代都市国家であるウルクで第一王朝（紀元前2900年から2800年頃）に統治した若い王であった。また、 「ギルガメシュ」は、シュメール語の「ビルガメシュ」に由来するアッカド語の書き言葉で、「老人が若い人になる」という意味である。
私は、ギルガメシュとハート・ビート・プラントの話を読んだとき、シェン・リャンのことを思った。 ハート・ビート（若返りの源）・プラント（植物）の3つの言葉は、彼の最近の作品に対する私の印象を表す適切な方法である。 シェン・リャンは、古典的な魚座であり、2つの異なる気質を持ち、異なる性格と隣り合わせていると言う。 一つは平穏で安定しているが、もう一方は興奮しやすく、ユーモアがあり皮肉な事柄を楽しむ面である。時々、何か面白いことが彼を駆り立たせ、再び若い男に変えるのだ。
Birding Project No.814, 2021, Super light clay, wig, wood, 19 × 19 × 44 cm
シェン・リャンの作品は、濃厚な油絵で描かれた初期のノスタルジックな絵画から、後に包装紙に筆、アクリル、木炭粉を使った「Trivialities」 シリーズに発展するまで、3つの異なる段階に渡って進化してきた。 彼の最新の進化は、「This is a Book」シリーズの延長にある、「Night Shift」、「Streetwalker」、および紙に描かれた他の小さな絵画作品と、超軽量粘土彫刻の「Birding Project」シリーズである。この新しい段階では、シェンは筆、アクリル絵具、ジェルペン、ペイントマーカー、ボールペン、蛍光ペン、および多くの材料と媒体の組み合わせを大胆に使用して、複雑で制御できない効果を作り出す。材料と材料の切り替えが最終結果に与える影響は簡単には気づかないものである。
シェン・リャンの初期の厚く塗られた油絵は、二次元の画面にさらに物質性を吹き込み、絵画を単なる平面的イメージではなく物体に変換させる。紙に描かれたアクリルと木炭の粉は、まるで抽象的な課題のように感じられ、題材へのこだわりから絵画を解放する。画家はもはや何を描くかを考える必要はない。彼はすでに特定の主題に捉われていないので、彼が望むものを何でも描くことができる。より正確に言えば、イメージが具体的なものに基づいて構築されている場合であっても、その本質は抽象的なものである。
Amour No.28, 2020, Wetercolor, gel pen on paper, 30 × 42 cm
Amour No.30, 2020, Wetercolor, gel pen on paper, 30 × 42 cm
おもしろ味はシェンの作品の一貫した線にある。初期のノスタルジックな戯れ描きと伝統的なオペラの登場人物では、通常、主題をちらっとよぎる記憶として描写し、これらの古典的なイメージのユニークな走り描きを通して豊かさとエネルギーを復元する。その後、彼は紙ベースのシリーズ「Night Shift」、「Streetwalker」、「Amour」、そして「This is a Book」から発展した「Love Across the Mountains and Seas」に皮肉的ユーモアを入れた。様々な見方のある一連のユーモラスな点は、時折、痛烈な風刺に方向を変える。「Birding Project」 （バードウォッチングプロジェクト）は、彼が髪を付け加えた一連の直接的な超軽量の粘土彫刻である。彼はこれらのややエロティックな彫刻を800点以上作ったが、これは正確な数である。
シェン・リャンは、自分が幸せかどうかを知っているのは自分だけだと言っている。 彼の最近の紙に描かれた小規模な絵画作品は、個人的な感情や好みに密接に準拠している。 それらは時々刺激的で、偶然の要素に溢れている。良いものもあれば悪いものもあるが、すべてが不確実性に満ちており、この上ない喜びを放つ。 2018年に日本で描かれたこれらのシリーズの最初のシリーズである「Streetwalker」（売春婦）は、絵画的な質と日本のアニメのクリーンでシンプルなイメージを組み合わせようとしている。 ここでは、インターネット、ドウイン（Douyin）、および実際のその姿は描かれていない日本のテレビドラマから撮影された映像が、アーティストの目を通して表現し直され、あるいは、再イメージされている。
1978年、中国遼寧省に生まれる。 シェン・リャン（Shen Liang）は、2003年に中国の中央美術学院で美術学修士（MFA）を取得した。現在、北京工科大学の美術デザイン学部にて滞在、制作する。
厳選された最近の個展は、「Ever Young」Tang Contemporary Art Bangkok（タイ、バンコク、2021年）、「Monoloque」、Tang Contemporary Art （タイ、バンコク、2013年）、「Outside / Inside」、Tong Space（中国、北京、2013年）、「Against Space–Eight Kinds of Attitude and Situation About Painting」、China Space（北京、2012年）、「The History Lesson」、Pekin Fine Arts（中国、北京、2010年）がある。
