Exhibitions
100 Tonson Foundation
Oct 10, 2020 - Apr 04, 2021
All images courtesy of 100 Tonson Foundation
House Calls (2020), vessels, household utensils, kitchenware, tableware, wood stands, Japanese; Korean; Laotian; Thai; Vietnamese mulberry paper, tissue paper, interchangeable shelves made of powder coated steel, oxidized steel, plywood, solid wood, cork over plywood, mirror finish stainless steel, steel base / shelves designed and fabricated by Studiomake, Bangkok / dimensions variable / photo by By Aroon Permpoonsopon
(キュレーター:Kittima Chareeprasit)
「ある夢は震えて、落ち着きなく感じる。ひっくり返ってまたひっくり返る。
そして現実の不確実性に目覚める。」 - ピナリー・サンピタック
100 Tonson Foundation では、30年以上にわたる絵画、彫刻、大型インスタレーション、参加型プロジェクトでタイ・アートシーンを豊かに刺激してきた、ピナリー・サンピタックによる展覧会「House Calls」を開催します。
バンコクでの彼女の個展が最後に開催されてから、約十年が経ちました。本展覧会で、タイ未公開の何百もの小さな彫刻作品で構成された巨大な観客対話型インスタレーションとともに、サンピタックがバンコクに戻ってきました。「House Calls」は、2019年の瀬戸内国際芸術祭の期間中、日本の瀬戸内海の離島で展示されたサンピタックのインスタレーション作品を進化させたものです。そこでは八つの小さな彫刻からできた作品が、和室の床の間(日本の伝統的家屋にある畳の部屋で、書の掛け軸や生花といったものを飾る、芸術鑑賞用の凹み)に設置されました。この作品は失われた名工へのオマージュとしてうつるかもしれません。それぞれの小品は手で組み立てられ、手で裂かれた天然紙の束が、様々な瓶、容器、そしてサンピタックの自宅やコレクションの一部だった家庭用品の上に乗せられました。「Breast Stupa(おっぱい塔)」の形は、神聖で官能的な新しい物語を生み出しながら、交差する鑑賞者たち自身の背景や経験と、それぞれの器や家庭用品の生い立ちとを結びつけます。
四百近くある個々の彫刻は、現代美術空間を家のような生活空間へと一変させるでしょう。彫刻たちは、バンコクで活動する Studiomake によって特別にデザイン・製造された、モーション・レスポンシブ・シェルフに設置されます。この棚は彫刻に息を吹き込み、屋根の下の生の不確実性に似て、鑑賞者の動きに反応する微妙な振動を起こすことができます。
Photo by Soopakorn Srisakul
Photo by Atelier 247
この内観的な作品は、私たちがロックダウンと自己隔離(ある人は自宅に一人または誰かと一緒に、またある人は家から遠く離れて)の中で前進することを忘れてしまった、大パンデミックの集団体験を描き出します。「House Calls」展は、人間の生命や経験の核としての家庭生活の基礎となる家に、有形無形の敬意を表します。
Photo by Atelier 247
Photo by Aroon Permpoonsopon
会期の半年間、当財団は連続公開プログラムとして毎月、アーティスト、キュレーターによるトーク、サンフランシスコ・アジア美術館とのウェビナー講座、アーティストとの花冠(Ma-Lai)作りワークショップ、子どもたちへの読み聞かせ会、招待アーティストとのサンピタック・インスタレーション作品の解釈を表現するパフォーマンスワークショップを開催予定です。
公開プログラムの締め括りには、サンピタックの芸術実践と権威あるその全作品体系についての視点と考察を共有すべく、アーティストと密接に関わってきた美術史家、研究者、キュレーターらによるピナリー ・サンピタック徹底論考を紹介する研究論文集を刊行予定です。
Virtual webinar with Asian Art Museum (San Francisco)
Book launch: Pinaree Sanpitak monograph
Event 1 : Curator and Artist walk through / Opening Reception
キュレーターとのアーティスト・トークおよび展覧会解説
イベント種別:artist's talk / exhibition tour
日時:2020年10月10日、3:00pm - 4:30pm
対象:一般
Event 2 : Virtual webinar with Asian Art Museum (San Francisco)
ピナリー ・サンピタックとの対談
イベント種別:artist's talk
対象:一般
日時:2020年11月3日、10:00am - 11:00am GMT
Event 3 : MA-LAI
アーティストとの花冠づくりワークショップ
イベント種別:workshop
日時:2020年12月20日
対象:タイ国内外観客
Event 4 : Storytelling sessions for kids (Private)
イベント種別:読み聞かせ会
日時:2020年1月(日付未定)
対象:10〜15才
Event 5 : Performance
招待アーティストとのパフォーマンスワークショップ、インスタレーション作品解釈を表現する劇上演
イベント種別:performance / theatre
日時:2021年2月(日付未定)
対象:一般
Event 6 : Book launch: Pinaree Sanpitak monograph
アーティスト、キュレーター、および三名のピナリー論考著者とのパネルディスカッション
イベント種別:academic talk / panel discussion
パネリスト:Gridthiya Gaweewong, Roger Nelson and David Teh(確認中)
日時:2021年3月(日付未定)
対象:一般
論文集寄稿者:
執筆:Gridthiya Gaweewong / John Guy / Boreth Ly / Roger Nelson / David Teh
編集:Rhana Devenport
出版:Serindia Publications
*同時開催:
ピナリー ・サンピタックはまた、100 Tonson 近隣アートペースの Nova Contemporary でも「Breast Stupa Cookery: the world turns upside down」展を開催しています。会期は2020年10月10日〜11月21日。展覧会の詳細はこちら:http://www.novacontemporary.com/
Pinaree Sanpitak(ピナリー・サンピタック)
1961年、タイ・バンコク生まれ
ピナリー・サンピタック(1961年、タイ・バンコク生)は、タイ現代美術の第一世代の一人として著名な芸術家です。彼女の芸術実践は1980年代後半に始まり、知覚と経験の器としての女性の身体を中心に繰り広げられ、器や墳丘といったベーシックで原始的な形を探求してきました。彼女の作品では、ストゥーパとして知られる仏教的建造物と、時には仏器に似た、女性の乳房のモチーフが繰り返されます。サンピタックの感覚を通じてコラージュ、ドローイング、版画、ペインティング、彫刻といった様々なアプローチが探求され、テキスタイル、ガラス、陶磁器、金属など様々なメディアを通じた素材に対する鋭い感受性を表しています。
過去30年間に渡り、サンピタックはタイ国内外で個展やグループ展に参加してきました。主な個展に、Singapore Tyler Print Institute and Yavuz Gallery, Singapore (2019)、The Winter Garden at Brookfield Place and Tyler Rollins Fine Art, New York, USA (2017)、Toledo Museum of Art, Ohio, USA (2015)、Sherman Contemporary Art Foundation, Sydney, Australia (2014)、Los Angeles County Museum of Art, USA (2013)。また、瀬戸内国際芸術祭(2019)、National Gallery Singapore (2017)、Jakarta Biennale (2017)、Lyon Museum of Contemporary Art, France (2015)、The Asian Art Museum, San Francisco, USA (2015)、第2回福岡アジア美術トリエンナーレ(2002) など様々なグループ展に参加。シンガポール STPI-Singapore Tyler Print Institute にて2018年レジデント・アーティスト。バンコクにて居住・活動中。
過去17年間以上にわたり、100 Tonson Gallery はタイおよびアジアでの最先端を行く現代美術ギャラリーとして活動してきました。当ギャラリーで開催された国内外アーティストによる展覧会とプログラムは100以上にのぼります。2015年から私たちは、広く一般の人々の優れた文化に接する機会を生み出しながら、アーティストやキュレーターが最も意欲的な実験ができるよう長期プログラムによってサポートし続けています。
今年 100 Tonson Gallery は 100 Tonson Foundation という名のもと、正式に非営利団体へと移行しました。収益と寄付の全ては直接展覧会政策や新しいコミッションへの支援に使われ、ギャラリーを訪れる方々へ多様なパブリックプログラムを無料提供することができます。
100 Tonson Foundation は、地域のアートコミュニティの進化を支援するとともに、その国際的認知を獲得しながらタイ現代美術のさらなる発展を目指します。財団はバンコクの中心部に Christian Liaigre によってデザインされたユニークな空間で、あらゆる芸術分野にわたる展覧会の機会をアーティストに提供します。財団の支援の範囲はホワイトキューブの壁を超えて行きます。財団は著名な国際的美術館・芸術機関との連携・協力関係を築きます。
「House Calls」展は、100 Tonson Foundation による初のプロジェクトです。