Exhibitions

Cameron Platter 個展「The Message is the Message」- Warin Lab Contemporary

Thai

Warin Lab Contemporary

Sep 23 - Nov 26, 2021

All images courtesy of Warin Lab Contemporary

Warin Lab Contemporaryで、9月23日から2021年11月26日までキャメロン・プラッター(Cameron Platter)による個展 「The Message is the Message」 が開催される。

今回の展覧会は、プラッターのタイで初めての個展であり、ドローイングや彫刻のインスタレーションを展示する。

  • Casino, pencil on paper, 180x130cm framed

  • Greetings, pencil on paper, 80x56cm framed

アートを通して社会問題を議論する場を提供するというWarin Lab Contemporary のミッションと、2021年を通して環境をテーマにしていることに沿って、プラッターは、彼のアートにとって不変の要素であるゴミというテーマに集中することを選んだ。作家は文字通りの解釈の自明性を超えて、正面視点の壁を打破する。彼は、ゴミの多層的な概念を深く掘り下げ、ゴミの複雑さそのものと戯れる。彼の世界では、ゴミとは環境劣化、突然変異、毒性などの生態学的側面を含む広い概念なのである。
 
しかし、ゴミはまた、この観点をも乗り越えて、私たちの社会の瓦礫の隠喩でもある。それは順応者達の常識のゴミであり、彼らは最悪の非人間的な出来事に背を向けながら生きつつ、Netflixのシリーズを見て酔いしれている人間達である。過剰、消費、突然変異、集団ヒステリー、プラスチック用可塑剤、がん、有毒廃棄物、ファストフード、ファストマネー、フェイクニュース、貪欲で崩壊しつつある後期資本主義の最大級の使い捨て文化と同様である。ゴミは地球をさまよう悪の異形なのである。

  • The End, pencil on paper, 180x130cm framed

プラッターの作品では、レンガの壁に重なる2匹のクロコダイルの輪郭、マティーニでゆらゆらと動くエビ、黒猫、シャッターストックから借用した魚のイメージ画像が主題である。どぎつく、鮮やかな毒性の強い色は、私たちを茫然とさせる。これらの作品のタイトルである 「人生」 「エクソダス」 「カジノ」 は、不安感をあおるネオンサインのように作品の構図の中に現れる。
 
プラスチック製の腰掛けを真似て木彫りされた椅子が、明るく塗られたギャラリーの壁の景色の中に散乱している。絵そのものは祭壇の一部のように見えるが、ファストフードのメニューにある商品のようにも見える。鑑賞者は椅子によって物理的に結合され、関与し、引き込まれていく。もはや観客ではなく、彼らは作品全体の一部となり、ハッピーミールのための消費至上主義の神殿となる。展覧会全体は、単に様々な作品を集めたものではなく、経験を表している。それは宇宙全体を創造する。

プラッターのアプローチの全てを包含する性質は、全てを包み込む包容力である。それは正反対のものの共存であり、高尚な文化と低俗な文化、皮肉と悲劇、懐疑的態度と社会的コミットメント、恐怖心と共にある明るさと遊び心、パニックとカオスの象徴である。
 
プラッターの作品は常に強い衝撃がある。そこには表面的な繊細さはない。そしてこの題材の本展覧会には、私たちの心を即座に揺さぶる攻撃的な力がある。暴力に打たれ、私たちを目覚めさせ、突然、私たちを無気力から目覚めさせるのだ。最初の強い衝撃の後、作品は複数の扉を開き、私たちは微妙なユーモアと悲しさの両方を見つけることができる様々な内省の道を見出すのである。

複雑さ、エントロピー、確かな基準点の崩壊。キャメロン・プラッターがすることは、私たちの確実性、私たちの疑う余地のない現実の光景を取り上げ、それと戯れることだ。彼はカードをシャッフルし、地面に投げつけ、細かく裁断してそこら中に裏向きにして散らかした。彼は私たちを笑う。ジョーカーの笑顔で私たちを驚かせるのだ。この幻覚から正気に戻ると、物事はもう以前のようではない。単純なことが、深い本質、すなわち、全てのものがそこから生まれるマグマとの関係、悲劇的で恐ろしい物質であり、同時に人生と同じほど真実であることを明らかにしている。確かなのは私たちがもう何も確信がないということだ。
 
キャメロン・プラッターは私たちの未来を予言すると同時に、私たちの同時代性を最も正確に描いている。彼の作品は、多層的で、多次元的で、多素材的で、多表象的である。
 
見るものが得られるものではない。“The Message is the Message”展は単なるメッセージではない。

アーティストについて

  • Cameron Platter

キャメロン・プラッター / Cameron Platter (1978年 ヨハネスブルグ生まれ。)

近年の展覧会に「想像上の事実、現代の南アフリカの芸術とアーカイブ」(Imaginary Fact, Contemporary South African Art and the Archive)、第55回ヴェネチア・ビエンナーレ(55thVenice Biennale)、ニューヨーク近代美術館「Impressions from South Africa, 1965 to Now」、サンフランシスコ、SFMOMA 「Public Intimacy. Art and Other Ordinary Acts in South Africa」、パリ・ポンピドゥー・センター「Rencontres Internationales」、セネガル、ダカールで開催された2010年のダカールビエンナーレ(Le Biennale de Dakar 2010)、エルサルバドル、マルテ美術館、「Coca- Colonization」、Iziko South African National Gallery「Absent Heroes」などがある。
最近のギャラリーでの個展にはパリ、Galerie Hussenot、ロサンゼルス1301 PEでの「Blank Projects、Cape Town」などがある。
彼の作品はニューヨークのMoMA、常設コレクション、フランス、FRAC des Pays de la Loire、Zietz MOCAコレクション、イジコ南アフリカ国立美術館、マージュリーズ・コレクション(The Margulies Collection)に収蔵される。The Los Angeles Times、Artforum、The New York Times、NYAQ、The Guardian、The Wall Street Journal、Vice Magazine、NKA Journal of Contemporary African Artなども特集している。
南アフリカ、クワズール・ナタール(KwaZulu Natal)在住し制作する。

Information

The Message is the Message

開催期間
2021年9月23日〜11月26日
会 場
Warin Lab Contemporary
Unit 3101, O.P. Garden, Charoenkrung Road soi 36 Bangrak, Bangkok 10500 Thailand
電 話
+6683 095 2028
営業時間
午前10時30分〜 午後7時30分 火曜– 土曜
URL
www.warinlab.com

文責: Aura Contemporary Art Foundation / アウラ現代藝術振興財団