Exhibitions
Silverlens Galleries
Oct 14 - Nov 13, 2021
All images by courtesy of Silverlens Galleries
Silverlens Galleries では、Eric Zamuco による新しい個展「Working on the Mountain」が開催される。このギャラリーでの Eric Zamuco の個展は６回目となる。過去の展覧会には、Cosmic Grounds（2020）、Almost Not（2017）、Visible Currents（2016）、Site of Marks（2013）、Out of Ordinary Spectacles（2011）がある。
Eric Zamuco による「Working on the Mountain」は、N.V.M. Gonzales （N.V.Mゴンザレス）によるエッセイの本のタイトルから取られている。 この作品シリーズでは、ミクストメディアで制作する Zamuco が、古代の寺院に見られる地質学的な堆積物と形成のメタファーについて熟考し、それを不安定さと衰退が表現される厚みのあるオブジェに仕上げている。
Templo, 2021, mixed media, 114.30h x 113.03w x 30.48d cm
Templo 2, 2021, mixed media, 154.94h x 152.40w x 31.12d cm
Templo 3, 2021, mixed media, 121.92h x 144.78w x 33.02d cm
Templo 4, 2021, mixed media, 161.29h x 172.72w x 45.72d cm
「Templo」と呼ばれるアッサンブラージュは、重なり合うガラスパネルと鍼治療のツボが印づけられている身体を思わせるような木材を通して挿入された金属棒が、全体を結合させ調和を取っている。Zamuco は、自身のアトリエにストックされたガラクタの寄せ集めを利用しており、素材は非常に多岐にわたる。ある作品では、ガラス瓶の破片が希少なエメラルドのように施されている。別の例では、ガラスパネルにプリントされた、切り落とされた魚の頭の白黒作品がある。それには、鑑賞者が他のオブジェ作品群との関係性を推測することを余儀なくされるので、驚かされる。
オブジェ作品は、医学的診断または手順を詳述する速記または筆記体の記号となる、各ピースごとに別々にペイントされた筆運びによって結合される。これは、健康と病気への不安を伴うパンデミックの状況で生活することによって影響を受ける芸術的な決意である。
一つ忘れてはならないことは、オブジェはお気に入りのコーヒーマグ、キッチンマットのように、安定した生活の基本的な道標であるということだ。動きの発生が上部に集中し、下部が次第に細く弱まっているこれらのアッサンブラージュに見られるオブジェの構成は、同じ基盤にある上向きの世界、さらに、それを一緒に保持している一つの世界を表している。
Templo 5, 2021, mixed media, 222.25h x 154.94w x 38.10d cm
Eric Zamuco
Eric Zamuco（1970年フィリピン、マニラ生まれ）の一連の作品は、日常の何気ない物、素材、過程、イメージの組み合わせからなる構成を通して、特定の時間と場所の状況に応じた、馴染みのない物を取捨選択することを目的としている。 ザムコのテーマは、混乱、アイデンティティ、ポストコロニアル（ポスト植民地主義）の物語、精神性、地理/政治に関するアイデアから、宇宙開拓の必要性まで、あらゆるものを網羅する。彼の作品は、彫刻、インスタレーション、写真、ドローイング、ビデオ、パフォーマンスなど、さまざまな表現媒体で構成されており、社会的解釈としてだけでなく、自己批評としても機能する。ありふれた物を変化させる意図は、取るに足らないものを集めて、おそらくある種の人間の秩序安定のための知識を見つけることである。
Zamuco は、13人のアーティスト賞（Thirteen Artists Award 、2003年）、Ateneo Art Award（2005年）の受賞者であり、ミズーリ大学コロンビア校で彫刻のMFA(美術学修士課程)取得（2009年）を取得。2015年、フランス、Centre Intermondes でアーティスト・イン・レジデンスに参加。「Working on the Mountain」は、シルバーレンズギャラリー（Silverlens Gallery）でのZamuco の6回目の個展である。.
