COLLECTIONS

粘菌研究 / Research of Slime Molds

Edition 1/3+AP

Japan
山田 汐音(大森山アートプロジェクト 2020)/ Shione Yamada (Omoriyama Art Project 2020)

Title: Research of Slime Molds, Medium: HD Video, Edition: 1/3 +AP, Time: 6 min. 40 sec., Production year: 2020
All images courtesy of the artist

作品概要
本映像作品の監督である山田汐音は、粘菌(変形菌)の動態に着目し、それを人間によって再現することを試みた。この試みは、粘菌を単純に擬人化する方向とは真逆のものである。人間がその身体をもって粘菌をトレースするとき見えてくる「世界」とはどのようなものか。出演者たちは、粘菌の脈動を様々な手法を用いて再現し、粘菌の「環世界」を獲得しようとした。例えば、ススホコリが変形体から子実体にリズミカルに変化する様子を⻩色い手袋をして模倣したり、 ムラサキホコリが変色しながら湧出する様子をダンスで表現したりした。本作では、音にも工夫が凝らされている。本来、粘菌の出す音を聴くことは人間には不可能である。しかし、それらは動くことによって空気に振動を起こし確実に何かしらの音を出している。この音を想像しながら、人間の声を用いで表現することを試みた。出演者が粘菌の動きに合わせて声を出し、それを重奏させることで、不思議で妖しい音を作り出した。本映像作品では、説明的な言葉を極力排した。粘菌の生々しさを説明的言語で表現することには限界がある。通常は言語からはこぼれ落ちてしまうその生々しさを前面に出すために、あえて説明的なナレーションや字幕は出さずに、編集を行った。山田は、本作によって、粘菌というミクロの世界に深く入り込み、種を超えて共有する根本的な衝動としての「生命の息吹」を汲み出すことを果敢に試みた。
なお、本映像作品は、秋田公立美術大学と秋田市大森山動物園の共同プロジェクト「大森山アートプロジェクト 2020」において制作されたものである。

文責: Aura Contemporary Art Foundation / アウラ現代藝術振興財団