COLLECTIONS
(Ed. KZ-1, KZ-2, T-12, T-13), 2014, ロール紙、天然塩(玄界灘産)、海水(済州島、釜山、対馬、宗像)
写真:山内光枝 「you are here」(2014、『想像しなおし』福岡市美術館)展示風景、撮影=山中慎太郎(Qsyum!)
All images courtesy of the artist
山内光枝は2013年に韓国・済州島にある海女学校を6期生として卒業。素潜りでの水中撮影を体得したことで、海中や海底の現場へと素潜り漁の名士たちを追っていけるようになった。それまで船上から想像するしかなかった海の中の世界で見たもの、感じたものなど実体験を基に、当時訪れていた対馬暖流域の浦々(済州島、釜山・影島、対馬、沖ノ島、宗像・鐘崎)の海水と潮のみを使って表現したドローイング作品シリーズ。
Terue Yamauchi
2010年頃に裸の海女が佇む一枚の古い写真と出逢い、それまで抱いていた日本人像や人間像が溶解していくような衝撃を受ける。その後現在にいたるまで、主に黒潮・対馬暖流域の浦々で滞在を重ねながら、海を基点とした人間や世界のあらわれを母胎に、表現活動を続けている。2013年済州ハンスプル海女学校(韓国・済州島)を卒業し、素潜り水中撮影を体得。2015年よりミンダナオ沿岸(フィリピン)を中心に滞在制作を行い、フィールドを海洋アジアへと広げる。近年の活動の原点である玄界灘を舞台に制作した長編『つれ潮』が、東京ドキュメンタリー映画祭2019にて奨励賞を受賞。2020年より日本統治下の“フザン”に暮らした家族史に向きあい始め、海峡の渡り方、内なる境界の捉え方を模索している。