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Wakan / Soul Is Film

Edition 1/5+AP

Japan
太田 光海 / Akimi Ota

Wakan / Soul Is Film, 2021, Single Channel Video, 22min12sec, Edition 1/5
All images courtesy of the artist

シュアール語で「魂」と「映像」の両方を意味する「ワカン」という語句からインスピレーションを得た本作は、「見えないもの」と「見えるもの」の間のラディカルな繋がりを、太田がエクアドルのアマゾン熱帯雨林で行った長期の人類学的フィールドワークの期間中に撮り溜めたフッテージの断片的集合体によって思考する。意図的に字幕が省かれ、円環的なモンタージュとして構造化された本作は、解釈や本質化に抗する還元不可能なアマゾン熱帯雨林の生の流動に観る者を誘い込む。

アーティストについて

太田 光海 / Akimi Ota は、東京を拠点にする映画監督、人類学者、視覚芸術家。 止めどなく複雑化する世界において「他性」を自らに取り込むことの可能性について、映像、写真、サウンド、テキストを用いて表現する。特に、人々が己の生を取り巻く環境との関係性を変容させるあり方や、人間、植物、動物、その他の諸存在が歴史的に構築してきた緊張がそれらに影響を与える様に関心を持ち、従来の分類的思考を侵犯する知覚の可能性を提示する。エクアドルのアマゾン熱帯雨林に住むシュアールの人々を映し出した監督作『カナルタ 螺旋状の夢』は、世界各国の映画祭で評価され、リスボン、キト、ベオグラードなどで上映され、2021年より日本全国で劇場公開された。また、令和4年度の文化庁映画賞文化記録映画部門優秀賞を受賞した。個展「Wakan: Soul Is Film」 (2021, The 5th Floor)や「Alive in Dreams」 (2022, BnA Kyoto)では、ビデオインスタレーションや写真、サウンドを用いて「映画」の文脈では見落とされがちなナラティヴ的周縁性に実験的に取り組んだ。

  • Akimi Ota

文責: Aura Contemporary Art Foundation / アウラ現代藝術振興財団